大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(ツ)7号 判決

被上告人のような公共企業体の職員も憲法第二八条の勤労者であるから、憲法第二八条はその団結権、団体交渉権その他の団体行動権を保障しているけれども憲法は同時に国民の平等権、自由権、財産権等の基本的人権を保障しており、後者に対し前者に優位を認めているわけではないから、勤労者の団体行動権が後者の保障と衝突するような場合には、公共の福祉の立場から、団体行動権の一部が制限を受けるのもやむを得ないのであつて、勤労者の団体行動権の無制限な行使を許しているものでないことはもちろんである。国民の自由権、財産権等に重大な関係をもつ重要な企業を営む被上告人のような公共企業体の職員の団体行動権が、上記のように公共の福祉の立場からある程度の制限を受けるのもやむを得ないのであるといわなければならない。公労法第一七条がその職員と組合がストライキ、怠業、その他業務の正当な運営を阻害する一切の行為を禁止し、又その職員は右のような禁止された行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならないと規定し、同法第一八条は前条の規定に違反した行為をなした者の解雇されることを規定しているが、公共企業体の職員の争議行為を右のように禁止することは、公共の福祉の立場からみてやむを得ないところであると解するのを相当とするから、同法第一七条、第一八条の規定は合憲であるといわなければならない。

(柳川 村松 中村匡)

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